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新人賞/アシスタント募集

2018年12月06日

第42回 新人漫画賞 グランドチャレンジ 全作品編集長コメント

第42回月マガ新人漫画賞 グランドチャレンジ 編集長のコメント

※敬称略 ※順不同です。このナンバリングは評価の上下を表すものではありません。

  

奨励賞以上の受賞作品

  

1★漫画部門 佳作『カンプノウに流星群』河島笑利

しっかりした構成力に支えられた、一流の短編ミステリ。短いページ数で設定とキャラの魅力を伝えることが出来ています。緊張と緩和、そのバランスが見事でした。クールな演出、ビターエンドも含めて、ちょっと読者が限定されちゃうかも。次回は超一級のエンタメ作品を期待!

編集長のコメント
2★漫画部門 佳作『マザーフィッシュ』コダマダコ

表情が瑞々しくて、青春モノを描くセンスが抜群!ラストの爽快感も素晴らしかった。惜しむらくは、画力がセンスに追いついてないこと。そして、「翼人」に競技としてのディテールがあれば、もう一段アツくなれるのに‥と感じました。

編集長のコメント
3★漫画部門 特別奨励賞『BAD SISTER』佐倉光

独特の画風ですが、画面から伝わる熱量がすごい。ただ、読者にとってワクワク出来る設定・ストーリー展開・キャラの感情が足りていません。この画力は池間さんだけの武器なので、それに合ったテーマを選び、短いページ数でまとめてみては?

編集長のコメント
4★漫画部門 特別奨励賞『神一重』松下賢吾

可愛らしい絵柄とは裏腹なサイコ感に、現代らしい企画性があります。ただし、それを読者に楽しんでもらうためには、構成力を磨く必要があります。どんな順番でキャラと設定を説明すれば興味を引けるか、作戦を練りましょう。

編集長のコメント
5★漫画部門 特別奨励賞『バロンの踊り子』如月ミモザ

圧倒的なリアリティ。「人間を観る眼」に天性のものがあります。暗く重いテーマですが、そこに読者を引きずり込む描写力は圧巻。課題はもちろん画力で、これは練習あるのみ! 既存作を参考にしつつも、自分だけの画風を見つけてください。次回作では、大瀬戸さんならではの「カッコ良さ」を見せつけてほしい。期待しています!

編集長のコメント
6★漫画部門 奨励賞『かっぱらい』井上美穂

格闘漫画を描こうとする姿勢に拍手を送ります。絵柄も山本さんなりの「カッコ良さ」が伝わって良いのですが、肝心のキャラの動きがよくわかりません。『鉄拳チンミ』が良い教科書になりますので、ぜひ勉強してみてください。

編集長のコメント
7★漫画部門 奨励賞『シンイ』広生

丁寧な作画と演出に好感。高校演劇というテーマに挑んだ気概も◎。ラストに向かって話が盛り上げる過程で、演劇ならではの演出で驚かせてほしかった。絵柄は少し手癖みたいなものが出ているので、恐れずに新しい画風に挑戦してみてください。

編集長のコメント
8★漫画部門 奨励賞『偏愛と狂愛』戸賀環

既視感ある設定ながら、細部がよく練られていてリアリティがありました。キャラの表情も複雑味があって、確かな画力を感じます。もう一歩、読者に感情移入させる仕掛けがあれば良かった。そこに個性が加われば、無敵になれます。

編集長のコメント
9★漫画部門 奨励賞『No Face:』ひのはら。

全編に亘って「俺はコレがカッコイイと思う!」という熱意に満ちていました。これは少年誌の作家として得難い才能です。ストーリーは「恋」「魔女」という二大要素が説明不足で、感情移入するに至りません。次作ではドラマとカッコ良さの融合を!

編集長のコメント
10★漫画部門 奨励賞『あいまごっ!』奥羽一生

家事をそつなくこなす家政婦さんが実は‥というのは、とてもキャッチ-ですね。ただ、彼女が戦い出すと、急に「家政婦さんらしさ」が無くなってしまいます。ベタですが掃除道具で戦うとか、ギミックは統一したほうがキャラの魅力が増すのでは?

編集長のコメント
9★漫画部門 奨励賞『終わりの世界とセーラー服』つっく

少年漫画に必要な熱気のある作品。作画も丁寧で表情も多彩なのですが、ちょっと要素過多で画面がうるさく感じます。また、「善悪」の観念がやや平板で、読み進めるうちにキャラの行動に意外性が失われてしまいました。

編集長のコメント
10★漫画部門 奨励賞『Mr.ブルペン』佐藤駿光

キャラ絵がすごく可愛い。これは栗栖さんならではの武器かと。ただし説明不足な点が多くて、途中で話を見失ってしまいました。読者にとって親切な導入部を提示して、安心してキャラの可愛さを愛でることができるよう、研究してみてください。

編集長のコメント
9★漫画部門 奨励賞『終わりの世界とセーラー服』つっく

時折、ハッとするほど良い絵があって、作家としての可能性を強く感じます。設定は面白いはずですが、わかりにくい構成が足を引っ張ってしまいました。次回は話の仕組みに凝るのではなく、キャラの魅力を追求してみてはどうでしょうか。

編集長のコメント
10★漫画部門 奨励賞『Mr.ブルペン』佐藤駿光

シンプルな設定のなかに、強いメッセージ性を込めた意欲作。ヒロインのキャラが健気で愛おしかった。ちょっと設定に緩さがあり、納得できない部分がチラホラ。担当編集といっぱい打ち合わせをして、物語を練り上げていってください。

編集長のコメント

  

ショート漫画部門

  

9★漫画部門 奨励賞『終わりの世界とセーラー服』つっく

仲の良い男女のイチャコラを眺める漫画w 程よい甘酸っぱさに、胸がキュンキュンしました。課題は画力。人物の描き分けに甘い部分があるので、さらに魅力的なキャラ絵を目指してください。期待しています!

編集長のコメント

  

最終選考まで残ったが惜しくも受賞は逃した作品

  

1『魔剣のウルラ』高岸かも

猫助くんという不思議なキャラクターを主人公(ヒロイン)が追いかけていくだけの作品ですが、アクション、キャラクターの見せ方など、作者の演出力、画力の高さはすごく感じました。表現力が爆発している作品ですが、エピソード自体は薄いので、この二人のコンビで何か一つ事件を解決するような作品が描けたら、入賞レベルになると思います。

編集長のコメント
2『私の落とし物を探してください』大久保舞

非常に密度の高い作画で、世界観がしっかり描かれています。主人公とヒロインの関係も、切なくて良かったです。物語の展開に意外性がもっと欲しかったと思います。主人公とヒロインの間にある過去の事件がが解決されれば、話も解決してしまうというのは、読者的には予想の範囲内でした。

編集長のコメント
3『STEMER』座和

キャラクター、演出力、過去のエピソード、セリフのキレ、良い所がいっぱいある作品でした。バトルアクションを描く力や、その他の面でも、とにかく画力さえ上がってくれれば、受賞できる作品を生み出せるようになると思います。

編集長のコメント
4『wintering』メゾン高見沢

主人公とヒロインのキャラを、作者がすごく大事にしているのがよく伝わってきます。絵も、キャラクターに関しては良い表情が描けていて、これからもっとうまくなるだろうなと感じさせます。主人公がヒロインの天使ちゃんの救出に命をかける理由を、もっとエピソードとして深く掘り下げられれば、もっと良い作品になったでしょう。

編集長のコメント
5『Wall,land Mark』中野しゅいず

「能力者」たちを集めた養護施設に暮らす、たくさんの子供達と先生。それぞれのキャラクターが立っていて、しかもその中にさらに「能力に目覚める前の子供」も含まれているという設定的なひねりもあって、面白かったです。ただ、とても読みやすいコマ割りや絵ではあるのですが、画風的には少年漫画というよりは、もう少し対象年齢が下の、児童漫画向けなのかなとは感じました。

編集長のコメント
6『MATIの魔法』久本卓

画力が非常に高く、画面の密度も高く、精根込めて描いているのが伝わってきます。非常に惜しいのは、画面の中で何が起きているのか、何が進行しているのかがとても分かりづらい描き方になっていることです。キャラクターの役割分担が出来ておらず、誰が説明進行役をこなすのか、その説明の途中で他のキャラの発言を乱入させないとか、カメラワーク、構図などを整理する、といったことを描く前に決めたり考えたりするべきだと思います。基本的な描く力はあるだけに、もったいない作品でした。

編集長のコメント
5『Wall,land Mark』中野しゅいず

看取りと見取りをかけたショートSFで、とても面白く読めました。宇宙をまたにかけて星の最期を看取って回る主人公たちと、眼前に広がる宇宙単位の描写、世界観を、ネームだけでなくちゃんと絵にした状態で見てみたいと思いました。ただ一方で、この作品はネームを描いた本人じゃないと漫画化できないなと思いました。世界観ありきの作品は、他人に作画を託すのはとても難しいものです。

編集長のコメント

  

その他の応募作品

1『死神のエシックス』箱木典也

地獄から蘇った主人公が、「自殺」をしようとしている人を食い止めるという方を物語の核にした方が面白かったかなと思いました。自分を地獄行きにした鬼に復讐の戦いを挑むだけでは、話がストレートすぎて楽しみどころが少なかったです。

編集長のコメント
2『雨のあがる音“THE EMO`S”』秦野夏成

主人公のヤンキーがボクシングに挑戦していくお話ですが、もう少しボクシングの魅力が何なのか、という点について作者なりに掘り下げた作品にしてほしかったなと思います。主人公の青春物としては綺麗にまとまっていますが、主人公自身の想いの中身も、不良が更生する物語にはよくある内容だったように思います。ネーム原作としてはもう少しオリジナリティがどこかに欲しかったです。

編集長のコメント
3『影導』山本南

設定が良かったですね。各門を守る守護神、それを襲う八十神、迎え撃つ主人公たちというのが、とてもコンパクトに世界観がまとまっていて分かりやすかったです。あとは画力かなと思います。キャラクターの造形がもう少し整ってきて、バトルアクションが上達してくれればと思います。

編集長のコメント
4『だいすき!ゼファールおじさん』郁魅デストロイ

アイデアが面白かったです。異世界転生した先で主人公が何になるのか、というアイデア勝負のところで、主人公がダンジョンに引きこもったことでダンジョンマスターになったという展開にしたのはとても良かったです。ただ、後半の王国と王女の事情とダンジョン探索のところが、とても説明的になってしまっていて、アクションやストーリー展開が楽しめなかったのが残念です。画力ももう少し上がってこないと受賞レベルには達しないかなと思います。

編集長のコメント
5『無題』吉原萌

ギャグ漫画2本のネーム原作。とにかく笑いを取ろうとするエネルギーは作品にあふれているのですが、全コマで何か面白い事を起こしてやろうとするあまり、ギュウギュウ詰めで、読んでいて頭に入りづらいです。キャラクターの面白さで勝負するのか、ネタで勝負するのか、テーマも決めるのか、笑わせる為の要素を整理してから書いた方が良くなると思います。

編集長のコメント
6『ベル・エポック』安田智哉

タイトルと同じで、これから何かの「冒険(アドベンチャー)」が始まりそうなところで、ぶつっと終わってしまっていて残念です。物語の導入として見るなら、ワクワク感を感じさせてくれました。シロナガスクジラを、スケール感の演出として使うあたり、物書きとしてのセンスは感じました。

編集長のコメント
7『きいろい傘』にのまえまこと

前者は、出だしの神様が出てくるところは良いつかみだと思いましたが、主人公の問題が解決するまでの展開はあっさりしすぎて物足りなく感じました。少しページが足りなかった印象ですね。後者は展開もテーマもとても良かったと思います。主人公の「後悔」が3秒で消えるという設定が特に良かったですね。このアイデアを元に、もう少しお話が膨らめば、さらに良いラブストーリーになったと思います。

編集長のコメント
8『ユメノオト』younon,/森藤文花

読み切りとして見ると、かなり完成度が高いネームだと思います。作者の力は感じます。限られた登場人物に、それぞれの立場と主張があり、それがちょっとずつ明かされていく構成も素晴らしく、最後まで引き込まれて読めました。技術的な点数をつけると明らかに優れた作品なのですが、ネーム原作ということを考えると、作品の強み、がもっとはっきり出るような作品に仕上げてほしかったなと思います。

編集長のコメント
9『水神さまは×××したい』みなみかわ

内容はとても面白かったです。古代史・神話をベースとした世界観と、思春期の少年少女の物語がとても上手く融合していて、よく出来た特撮映画を観ているような感じで読めました。漫画として評価すると、やはり画力が足りていないので高評価とはいかないのですが、見せ方などには工夫があって良かったです。後半、ちょっと知識偏重な話運びになったのも少し残念です。あと、途中で終わってしまった感じの終わり方も。

編集長のコメント
10『くるくるまわる』鈴木啓示

主人公から見て、なぜだか理由も分からず怒涛のようにプッシュしてくるヒロインというのは、少年漫画のヒロインの1典型ではあります。ただ、こういうタイプのヒロインは、読者にその姿に可愛らしさを感じてもらえるような工夫が必要になってきます。この作品のヒロインでは、まだそれが出来ていない印象です。画力もまだまだこれからですし、単純にヒロインの絵的な可愛さが増すだけでも、作品の評価も変わってきますので、今後の努力に期待したいです。

編集長のコメント
11『太陽のカケラ』『LOOSE GAME』タゴウミワ

原稿の絵的な完成度が低いのが、まずちょっと残念でした。この絵的な完成度では入賞を目指すのは、難しいです。佐々木先生のキャラは面白かったです。悪い先生でもなく、良い先生でもなく、さとり系の先生といったところだと思いますが、話していることに意外と血が通っている感じがして良かったです。会話劇だけで終わってしまったのは少し残念でした。

編集長のコメント
12『鍛冶師と英雄と』原田勝幸

ペンでキャラの主線を引いて形を作っただけでは、画面の白さが目立ちますし、絵自体が雑に見えます。もっとトーンやベタ、背景をしっかり描くことから意識してほしいです。お話自体も、キャラの心理描写を行う前に、それぞれのキャラの過去の背景や、現在の設定をまずはしっかり分かるように描いてほしいです。全般的に作りが甘い作品という印象です。

編集長のコメント
13『KURENAI』林めぐみ

未来に生まれたネオ人類(人喰い人種)のお話で、設定や時代背景、歴史、世界観などの観点から評価すると、しっかり作り込まれた良い作品と言えると思います。ただ、人類が何かの脅威に襲われ、それに立ち向かうという設定の場合、「その脅威が何か」については、やはり新しい切り口が求められます。この作品のネオ人類は、たとえばアマゾンが未開の時代に創作物の中にさかんに描かれた、「その奥に存在する知られざる原住民」という設定のイメージとほぼ同じ印象を受けます。そこのセンスに新しさを感じられるように描いてほしかったなと思います。

編集長のコメント
14『天才バビロン』(ネーム原作)藤枝憲司

まだ10代の投稿者という事で、まずは基本的な画力の向上が大事ですね。キャラクターの等身がまだ不安定なので、人物全体をバランスよく描けるようにしてほしいのと、表情を練習してください。話自体は、まとまってはいるのですが、考え付いたファンタジーの設定を、ぎゅうぎゅうに詰め込んでようやく消化したなという印象ですので、もうちょっと描く前にエピソードをうまく削れたら良かったかなと思います。主要キャラの数も不必要に多かったと思います。キャラの面白さで押すのか、バトルで押すのか、ストーリーでハラハラドキドキさせるのか、作品の売りの絞り込みもちょっとずつ出来るようになると良いですね。

編集長のコメント
15『夢の中の英雄』(ネーム原作)秋乃克行

ある技術をめぐる、開発者、企業、国などが絡む社会派ドラマが主軸の作品。ちょっと印象が地味になってしまったのが残念ポイントです。パワードスーツの見た目や能力をもっと華のあるものにしてほしかったと思います。社会派人間ドラマの面では、登場人物たちの行動動機にブレがなく、非常に読みやすかったのですが、一方で「この人はこうするだろうな」というのが事前に分かってしまう感じになっていたのが惜しいですね。誰かもっと何を考えているか分からない不確定要素的なキャラを混ぜておいた方が良かったかもしれません。

編集長のコメント
16『バレエの祭典』(ネーム原作)松本理絵

主人公の心理描写、「努力しても才能のある人間にはかなわない、じゃあどうすれば」という問いかけだけがずっと続くので、後半になると少し飽きがきます。テーマの掘り下げはキャラの独白で行うのではなく、もうちょっとストーリー展開と絡めて進めてほしかったなという印象です。この作品は、DBSという架空の魔法スポーツ自体の面白さをまず読者に伝えないといけないという点でも、なかなか難しいことにチャレンジしていて、それがうまくいかなかった感じがします。

編集長のコメント
17『ダメガネウォーズ』(ネーム原作)中原逸仁

一回おっぱいが揉めたら死んでも良い、という言葉を口走っちゃった童貞君が、女の子の死神におっぱい揉ませてもらうだけの話。Hでおバカで良かったです。ただ、冒頭がクライマックスだった感じがして、もうちょっと色々Hな展開を味あわせてほしかったなぁ~と。物足りなさが勝ちました。

編集長のコメント
18『夢現書店へようこそ』(ネーム原作)有河柊季

設定説明に割くページ数が多すぎる印象です。ビッグバン(ブラックホール出現)からブラックホール人の存在まで設定を拡大すると、設定自体が主人公になってしまうくらいのボリュームになってしまうので、地球から脱出した地球人たちを再び拡大するビッグバンが襲うくらいの設定にしておいて、その危機からどう脱出するかという主人公たちのドラマに焦点を当てた方が良かったのではないかなと感じます。SFやファンタジーは、必要な設定と不必要な設定をどこかで切り分けないと膨大なページ数になってしまうので、思いついた設定を全力投入しないように気を付けてください。

編集長のコメント
19『切望のパンプキン』武林洋介

このネームで一番面白かったのは、この「デビルズ・サモナー」というゲームが生まれた背景です。魔界のエネルギーのために現世にばら撒かれたカード、という発想は、今まで聞いた事のない発想だったので、面白いなぁと感じました。ただゲーム自体はあまり面白いと感じなかったです。全ページの3分の2ほどが、このゲームの実践だったので、ゲームの面白さ=作品の面白さになってしまいました。ヒロインが可愛ければちょっと変わった異世界ラブコメ的な切り口にももっていけそうでしたが‥‥。

編集長のコメント
20『草道』匿名希望

数ページしかなかったので、話の全容がつかめなかったです。漫画は数ページでも成立しますが、その場合、誰が主人公なのかをまず明示してほしいです。原稿も雑なペンタッチで描かれているので、もう少し丁寧に描くことから始めましょう。

編集長のコメント
21『お笑いをプレゼント』(ネーム原作)篠原優太

小夜子ちゃんのキャラクターは良かったです。いわゆるツンデレなキャラクターですが、生き生きとしていて、作者のヒロイン愛も感じました。一方、「鬼斬り」という職業というか生き方というか、そちらは全然掘り下げがなく、ただ魔の者を斬る行為・シーンだけで終わっていて、アイデア不足を感じました。ネーム原作ですし、設定的な目新しいアイデアがないとちょっと厳しいなと思いました。

編集長のコメント
22『Sick』『ケンキタ』黒木斗文房

タイトルは面白い、というか上手いですね。いわゆる夫婦漫才みたいなやり取りを、もっとぶっ飛んだキャラでやっているわけですが、いまいちツボが分からないのは、ヒロイン側が相手に何を一番欲しているのか、主人公側は相手の何が一番嫌なのかが、分かりづらい点にあると思います。その点を1話から明確にして描いてもらえれば、もっと読者には笑いのツボが伝わりやすくなると思います。

編集長のコメント
23『復讐のオートマタ―忘却少女―』(ネーム原作)山川幹太

正義の狼男と悪の狼男。主人公は狼男に感染しつつも正義の狼男となったが、その親友は悪の狼男になってしまった。敵同士に分かれた親友の戦う宿命――。話自体はコンパクトによくまとまっていました。ただ、筋書き自体は、「悪の組織から逃げ出した、変身ヒーローもの」によくある王道ストーリーなので、新鮮味には欠けました。展開にもう少しオリジナリティがほしかったですね。

編集長のコメント
24『ミラクルカード』岡井広安

可愛らしい話で、ちょっと癒されました。犬の霊を供養するのを忘れている先生とそれを気付かせようとする主人公の少年。ただ、途中まで普通に除霊コメディだと思って読んでいて、急にラスト数ページでハートフルにふったなーという印象で、それでも何だか最後は感動したので、次に描くときは最初から感動物を目指して振り切って描いてみても良いかもしれませんね。

編集長のコメント
25『BOX』(ネーム原作)優弘裕

座敷童子とトイレの花子さんの妖怪対決という内容ですが、この妖怪同士が戦う理由や、読者として誰の立場に立って読めばいいのかという点が、あいまいで分かりづらい作品になってしまっています。セリフと言うより「説明」を、1個のフキダシの中に延々と書くスタイルも、ネームの描き方としてはあまりよくないので、原作とはいえ、あくまで「漫画」のネームであることを意識して描くようにしてください。

編集長のコメント
26『RED CUTE』北畑博史

第二次大戦時の空軍機に登場していた青年が、後輩を空戦の中で失った自責の念に囚われてからの物語。義足の少女との交流や、最後のエアバトルも含めて、物語としてはしっかりと描かれています。戦争の事、戦闘機の事もちゃんと調べてから描いていて、リアリティを出すことにも成功しています。ただ、ストーリー展開が、わりと予想の範囲内で進む事と、迫力あるエアバトルを描き切るには、まだ画力が足りていなかったのが惜しいところです。たくさん作品を描くことでさらに向上して下さい。

編集長のコメント
27『NEZUMI』吉田祥

地球から拉致られた女神が、宇宙人の手助けをして宇宙海賊たちを討伐するという、めちゃくちゃな設定ですが、ノリ最優先で突き進んでいく作風は、結構楽しんで読めました。 描き込みを頑張ってくれているのは良いのですが、少し濃すぎて、画面がごちゃごちゃしてしまって何が起きているのか分かりづらいのは改善した方が良いです。

編集長のコメント
28『クロスリード』(ネーム原作)山本真也

ファンタジー作品ではありますが、基本は、ヒロインがなぜか白キャラのハンサムと、黒キャラのハンサムの両方から言い寄られる、少女マンガの王道三角関係をベースにしたラブコメだと思いました。天使や死神や、流れの悪魔など、要素がちょっと多すぎて、何をメインに見せていく作品なのか(ラブコメ部分だとは思いますが)が薄まってしまっているのが惜しいかなと感じました。

編集長のコメント
29『館の夜に』『ラピスとヴァイン』(ネーム原作)

シンプルに、主人公の男の戦いとその美学がまとまっていて、良かったです。バトルシーンも迫力がありましたし、何より読みやすい、見やすいコマ割り、構図が出来ていました。キャラクターの絵が少し古風に固まってしまっているのが、少し印象を悪くしてしまっているのが惜しいところです。

編集長のコメント
30『ああ、無能』(ネーム原作)小田ひろみ

リレーの4継とマイルに何の違いがあるんだろうと、ストーリーがちょっと余所事になるくらい、考えながら読んでたんですが、最後にあんな素敵な答えが用意されてるとは、ちょっとびっくりさせられました。あのラストが待っているなら、もっと主人公に「同じリレーに何の違いがあるんだ!」的なことを考えさせながら進めても良かった気がします。絵がまだ拙いので、情景描写の力が加われば、もっといい作品を生み出せると思います。精進して下さい。

編集長のコメント
31『昆虫のお医者さん バグ族』北山美緒

戦国時代を舞台にした人間ドラマで、うまく限定した人間関係の中で、それぞれの想いをしっかり描けている点は好感度が高いです。ただ、色んな登場人物に平等にスポットを当てているせいで、この作品の一番の推しポイントがどこかは逆に分かりづらくなってしまった感はあります。ヒロインと殿様のラブストーリーも入っているし、ギラギラした復讐への想いも入っているし、権力闘争の面白さも入っているのですが、どれかに特化した作品にした方が、面白さは際立ったのではないかと思います。

編集長のコメント
32『漫才リベンジャーズ』(ネーム原作)清水裕貴

自分の憧れている女の子が、実は自分が昔から知る幼馴染と同一人物であることを気付かないまま、主人公が恋の道を突っ走るラブコメは、王道の一つとしてあります。このパターンだと読者は、主人公やヒロインが気づきそうで気づかないドキドキを一番求めますので、もうちょっと秘密がバレそうなシチュエーションを増やしてほしかった気がします。絵はさらに向上して、女の子がもっと可愛くなってほしいです。

編集長のコメント
33『MAXIMAM―マキシマム―』破駕時央

人柱となる運命の少女と、戦争に出征しないといけない少年の悲恋の物語。物語としては、よくあるフォーマットですが、キャラクターの心情をしっかり描けていた点では良かったです。話のテンポが淡々としすぎているので、もう少し主人公たちの感情の盛り上がりや、ストーリー展開に合わせて、メリハリをつけた演出をしてみてください。画力もまだまだこれから、なので、キャラクターの絵から手始めに習練に励んでください。

編集長のコメント
34『影霊』石川輝子・石川暁子

ちょっと読者の予想をずらしながら展開を作っていく、シュールなギャグセンスは良かったです。ヒロインの「さちこちゃん」のキャラクター属性がいまいちはっきりしなかったのが、作り方としては残念です。ショートギャグで一番の武器になるのは主人公のキャラなので、そこは次のチャレンジでは意識してほしいです。

編集長のコメント
35『恋と迷子』竹田昌平

貧乏神と呼ばれながらも人間の厄を吸って、人間の役に立とうとし続ける神「イマイ氏」。キャラクターが良いですね。設定も分かりやすく、登場人物も限定された中で、話が進み、非常に読みやすかったです。絵の濃度を上げ過ぎというか、バトルシーンの背景や演出が描き込み過剰で黒くなりすぎで、見づらかったです。人間のキャラの等身のバランスとかも少し崩れ気味なので、気を付けて描くようにしてください。

編集長のコメント
36『Xdayの裏側』鳥海晃司

どちらの作品も、展開が一直線のまま結末まで行ってしまっていて、読み甲斐がないです。途中で予想外のイベントを起こして、この先どうなるんだろうという「読み進める楽しみ」を読者に与えてあげないといけません。『木工部』の方は、主人公が何かやらかしそうな不穏なキャラクターで、すごく面白そうだったので、ページ数をもう少し増やして色んな展開を考えてほしかったですね。

編集長のコメント
37『がーでぃあん』たぢかしゅんじ

赤い騎士を追って4人のワケあり達が出会い、仲間を組んで、わいわいやっているあたりが最高に楽しかったです。作者はキャラクターを作るのが上手だなと感じました。バトルを描く力と、騎士のデザインをカッコよく描く力がまだ足りていないので、最後の方が少し尻すぼみな印象になってしまっているのが惜しいですね。絵の力を磨いて、どんどん応募してほしいなと思いました。

編集長のコメント
38『おかえり』松野圭良

非常に高い画力と、アクションシーンの迫力。絵の面では十分プロとしてやっていくだけの力がすでにあると感じました。キャラクターの等身や表情が青年誌っぽくリアルに寄ったり、デフォルメされて少年漫画風になったり、ちょっと安定しないので、少年漫画でやるのであれば、そこはもう少し安定させてほしいなと思います。ファンタジー漫画としての設定自体は、わりとありふれた道具立てだったので、何か一つでもオリジナルな発想を感じさせてほしかったです。

編集長のコメント
39『食材と旅に出る』費子軒

年上の女性に恋してしまった学生の男の子の心情を、とても見事に描き切っていて、素晴らしかったです。一方で同級生の美人に惚れられてしまっているのも、王道ですが、ツボを押さえた設定ですね。まだまだ絵が拙いので、そこが向上して、この作品に絵的な演出力が加われば、すごい作品になっただろうなと思いました。画力向上に引き続き努めてみてください。

編集長のコメント
40『オタク×ヒーロー』榎本璟

女の子のキャラも面白かったですし、ファンタジーというジャンルで、かつページ数が多かったわりにはさくさくと読みやすかったです。画面作りも、キャラクターが映えるように描けていたので、上手いなと感じました。女の子を絵的にもっと可愛く描けるようになれれば、その分だけプロの道に近づけると思います。「キモい敵」を本当にキモく描けていたのはすごいなと思いました。

編集長のコメント
41『チビクロちゃんとチロイ先生』kyoto

いじめに抵抗する心の強さを描く漫画。気持ちの強さや、感情をあらわにした時の主人公の表情などがしっかりと描けているので、作品にリアリティは感じます。ただ展開としては、いじめ漫画のパターン通りの感じもして、新しい面白さは感じませんでした。多くの描き手が作品にしてきたジャンルの場合、自分なりの切り口を少し含めてほしかったなと思います。

編集長のコメント
42『リグレット・リピート』ada

個人的にはすごく好きな作品です。死というものに囚われてしまった心の彷徨といいますか、虚無の中で迷う二人のさまが、非常にリリカルに描かれていて心地よいです。ただ、この作風、方向性は少年漫画だとやはり難しいですね。良い作品だけに惜しいなと思いますが、作者の才能が活かされる雑誌は必ずあると思います。

編集長のコメント
43『ヴィジュアル革命HISAME』波丘煌生

広島に原爆を落ちた日のことを描いているのですが、その日に特化するわけではなく、戦争全体の悲惨さ全体を伝えようとしているので、焦点がすこしぼやけてしまっているのが残念です。「原爆」を題材として使うのであれば、その特殊性、戦争の中でもなぜ核は特別ダメなのかということを、もう少ししっかり掘り下げたうえで、それを反映させたストーリーを作ってほしかったです。

編集長のコメント
44『通報人』真田真行

ちょっとした都市伝説を読んだような印象です。結局「ガタロの手」とは何だったのか、よく分からないまま終わるので、その存在の不気味さを味わう漫画なのかなと思います。画風が少し昔の児童向け漫画の様な感じで、素朴さが読みやすさに繋がっていて良い面と、怖さをもっと増幅して伝えてほしいのに、淡々と読めてしまう悪い面と両方感じられました。少年漫画的には、こういう題材ならば、絵的な刺激がもう少しほしかったなと思いました。

編集長のコメント
45『エアー・ハイ』星村定之

「赤ちゃんガチャ」というSF設定は、新しい切り口でとても面白かったです。少なくとも、この社会システムの存在を「つかみ」に使ったのは構成上、とても良かったです。ただ、このシステムと「社会に存在する不平等や格差、差別」があんまりうまくリンクしていない感じがしました。そういう意味では設定を活用した、面白いストーリー展開を作るところまでは至らなかった感じです。「望月もか」は、恋敵が実のお母さん、という設定で、これも刺激的で面白いと思いました。ただ、最後にお母さんに殺意を抱いて、殺そうとするというストーリー展開だと、ちょっと展開が安易に流れすぎている気がします。それをせずに、どういう解決方法があるかを考えてほしかったです。

編集長のコメント
46『老犬ヒロイン』『ワンダーガール』『魂の代行人』桜島淳太郎

設定とストーリーはよく出来ていたと思います。ライトな下ネタを会話の中に織り交ぜながら、展開が進んでいくノリはとても楽しかったです。「ニート」である自分に生きる価値はあるのか、という主人公の自問に対してちゃんと答えを出した結末も良かったですね。あとはヒロインの宇宙人ちゃんを可愛くセクシーに描ければ、一気に評価は上がると思います。

編集長のコメント
47『醜いアヒルのイサカ』モカヅマツモト

作者が描きたいテーマというのは明確でしたが、短いページの中で主人公の選択だけを見せるのでは、読者に読んでもらうための工夫が少し足りないかと思います。エンターテイメント的要素を加えて、もう少し膨らませてほしいです。ラストシーンもかなり分かりにくく、読者の中の何パーセントに意味が伝わるだろうかと思ってしまいます。

編集長のコメント
48『カラクリの幻師』はやしゆきのり

ヒーロー物のブルーのポジションをやっていると、イエローやレッドに対してどう思うか、というのがモチーフの、ヒーローコメディ。それぞれのカラーの役割に対する掘り下げが少し甘いかなという感じです。ヒーロー物好きの読者からすれば、色分けでどういうキャラ分けになっているかというのは、何となく分かっている事なので、それを凌駕する観察眼を見せないと、なかなか「面白い」というレベルに達するのは難しいです。正直物足りなかったです。

編集長のコメント
49『エリア:ダークネス』ト城夕哉

平賀源内が発明した大砲で、浪人の主人公が魔王の島へ魔王退治に行くという、フリーダムな設定が良かったです。ストーリーが展開しないので、そこは退屈でしたが、漫画的な演出力は高かったので、画面を眺めているだけで楽しいなと感じることが出来ました。もう少しストーリー展開がある作品も読んでみたいなと思いました。

編集長のコメント
50『肉麺器』原京平

まず作者の方は、この古代人類の世界観が好きなのだとは思いますが、何作も同じ世界観でネームを描いても、同じ作品としてみなされますし、原作者としての評価としては下がってしまいます。この作品で前回応募いただいた作品との優劣を考えても仕方がなく、ネーム原作者に求められるものは、企画としての新しい切り口やアイデア力だったりするので、同じ労力をかけてらっしゃるのであれば、その都度、違うタイプの作品を見せていただければと思います。

編集長のコメント
51『ゆるいぞ。』たいし

恋愛漫画にとって一番大切な演出力はあるのですが、キャラクターの表情や仕草などを描く力がまだまだ足りていない印象です。これは、もっともっと原稿を描く量を増やすことで解決していくしかないです。お話自体は綺麗にまとまっていますが、未来のシーンは必要ないかなと感じます。学生時代の雰囲気にちょっと水を差してしまっている印象です。

編集長のコメント
52『虐待法』E・P

両作とも、とても読みやすく構成されており、漫画が上手いなーと感じました。とくに『目の色』は、ミステリーとしての読み筋がすごく計算されており、読んでいて裏をかかれて唸りました。『ライフルライン』の方は、主人公のキャラ作りが少しありきたりすぎたかなと感じたのと、「ライフル競技」の面白さがいまいち上手く伝わってこなかったのが惜しいところです。画力が足りないので、漫画家としてはその部分が改善されないと難しい気もするのですが、『目の色』のような、読者を引き込み、予想を裏切った展開を連続して作れるのであれば、ネーム原作者としてはやっていけるのではないかと思いました。

編集長のコメント

※ネーム原作作品は、希望者のみのコメントとさせていただきます。また応募作のうち、同一作品の改稿バージョンや、過去の応募作と同一世界観・設定の作品へのコメントは、感想の重複となるため、控えさせていただきます。

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