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新人賞/アシスタント募集

2019年03月06日

第43回 新人漫画賞 グランドチャレンジ 全作品編集長コメント

第42回月マガ新人漫画賞 グランドチャレンジ 編集長のコメント

※敬称略 ※順不同です。このナンバリングは評価の上下を表すものではありません。

  

奨励賞以上の受賞作品

  

1★漫画部門 佳作『カンプノウに流星群』河島笑利

情けなくて痛くてカッコ悪い、等身大の青春を描いた快作。随所に光る演出があり、音楽という言葉にしづらいものを必死に描き出そうとした努力が見て取れます。課題はとにかく画力。斬新で、それでいて誰が見てもカッコいい(可愛い)、そんなキャラを目指してください。

編集長のコメント
2★漫画部門 佳作『マザーフィッシュ』コダマダコ

比較的説明に時間を要しそうな設定や人間関係を、ストーリーやキャラになじませつつ展開する手腕が見事で、作品の「入り方」に躊躇が無い。全体的にもテンポの良さが素晴らしいと思いました。一発でこのネームになったのなら大変な漫画力の持ち主だし、何度も直してここへたどり着いたのなら、これこそまさに漫画家に必要な素養である“粘り”の達人です。いずれにしても漫画を描く才能に溢れた方です。絵もカワイイ。次回作も楽しみにしています。

編集長のコメント
3★漫画部門 特別奨励賞『BAD SISTER』佐倉光

謙虚で卑屈なアンデッドが、とにかく魅力的! そこから浮かび上がるテーマも味わい深く、作者の巧みな狙いが窺えます。ただ、50pはさすがに長いですね。話をコンパクトにまとめる構成力と、画力を磨けばさらに上が見えてくるはず。

編集長のコメント
4★漫画部門 特別奨励賞『神一重』松下賢吾

主人公のキャラがとにかく良い! この口癖、思わず真似したくなってしまいました(笑) 少年漫画において、キャラは究極の武器です。あとはそのキャラの魅力を100%伝えられるよう、画力を磨きましょう。描くほどに必ず伸びるはず!

編集長のコメント
5★漫画部門 特別奨励賞『バロンの踊り子』如月ミモザ

キャラが明るくて、とにかく表情が豊か。読んでいて楽しい気分になります! これは天性のものですね。ヒロインが可愛くて良いのですが、ちょっとしたエロさを加えると、さらに読者を惹きつけられるはず。読者を徹底的に楽しませるプロを目指しましょう!

編集長のコメント
6★漫画部門 奨励賞『かっぱらい』井上美穂

「懐かしい」という感情の中に潜む、一抹の苦みを上手に切り取っています。短編としてのまとまりでは今回で一番かも。とはいえ、“彼女”との生活に読者がうらやましいと思える部分がなく、読み進める楽しみという点で不満が残りました。

編集長のコメント
7★漫画部門 奨励賞『シンイ』広生

幽霊となった主人公が、心霊雑誌のヤラセに…という摑みは面白い! 問題は、そこからの展開に意外性がなく、面白さが積み上がらなかったこと。あの手この手で読者の心を揺さぶって、楽しませられるように構成を練ってみてください。

編集長のコメント
8★漫画部門 奨励賞『偏愛と狂愛』戸賀環

最後まで手を抜かない、誠実さを感じる原稿ですね。その一方、設定は単純明快なはずなのに、いまひとつ頭に入ってきませんでした。「全くストーリーを知らない他人」を頭の中において、その人に説明するつもりでネームを描きましょう。

編集長のコメント
9★漫画部門 奨励賞『No Face:』ひのはら。

キャラに眼力があります。ファンタジー向きの画面ですが、ところどころ手を抜いたような背景があるのが残念でした。読者の興味を惹く設定を考えつけば、即戦力たりうる作家さん。次作では男性キャラのバリエーションも見たいです。

編集長のコメント
10★漫画部門 奨励賞『あいまごっ!』奥羽一生

丁寧に設定を積み上げた力作ですね。ただ、キャラの表情が硬いせいか、描いている感情にリアリティが感じられませんでした。また、印象に残る台詞がないのも課題です。読者の心に刺さる表情とセリフを意識して、次回作に挑んでみてください。

編集長のコメント
9★漫画部門 奨励賞『終わりの世界とセーラー服』つっく

ポーズや演出が凝っていて、とにかくカッコいい! ただ、この作品は恋愛がテーマなはずなのに、それがバトルのアイデアに盛り込めておらず、ギクシャクした展開に。バトルは「目的」でなく「手段」です。ぜひ意識してみてください。

編集長のコメント
10★漫画部門 奨励賞『Mr.ブルペン』佐藤駿光

途中で目線のキャラが入れ替わるのが、読みづらいです。背景など、少し画面の細部を怠っているのもマイナス評価。とはいえ、キャラの絵柄がキャッチ―で、魅力十分。描き分けが弱い部分はあれど、“伸びる”作家さんだと確信しています!

編集長のコメント
9★漫画部門 奨励賞『終わりの世界とセーラー服』つっく

皮膚からツタが生えるという奇想と、チェロ&バレエという芸術的テーマが上手くMIXされています。クライマックスの構図には迫力がありますが、惜しむらくは画力が追い付いていない。描く人が一番悔しいはずなので、次回作でリベンジを!

編集長のコメント
10★漫画部門 奨励賞『Mr.ブルペン』佐藤駿光

読者の心に届く絵と演出が本当に素晴らしい。物語的には、サブキャラの過去回想に終始してしまったのが残念。主人公を主体的に動かし、その足跡がストーリーになる。それが少年漫画の基本です。ぜひ次回作でさらなる進化を見せつけてください!

編集長のコメント
最終選考まで残ったが惜しくも受賞は逃した作品

  

1『魔剣のウルラ』高岸かも

世の中にはびこる理不尽を、JKが大振りの業物でズバッと一刀両断! その企画性は非常に素晴らしいです。絵柄も可愛らしく、魅力たっぷり。ただ、企画概要から期待するほどには、スカッとしなかったのも事実。自分ではどうしようもないことを、鮮やかに解決してほしいという読者のリクエストに応えてみてください。斬ったあとのセリフも大切ですね。そこでさらにスカッと!

編集長のコメント
2『私の落とし物を探してください』大久保舞

ゾンビウィルスに感染しても、胸がドキドキしている間は人間のままでいられる。とても素敵な設定だと思います。冒頭を読んで、主人公とゾンビハンターらしきヒロインとの間にどんな物語が始まるんだろう…とワクワクしました。が、そのあとはちょっと尻すぼみな印象でした。このアイデアは、実はラブコメでこそ活きるのでは? 主人公とヒロインのドキドキを、ぜひ表情豊かに描いてみてください。

編集長のコメント
3『STEMER』座和

平和なビーチに現れた巨大なサメ…映画『ジョーズ』的な展開かと思いきや、サメの魚人・ジョニーはめっちゃヘタレ(笑) ダツで刺すというネタにも爆笑しました。絵柄・コマ割りにも個性があって、センス抜群です。構成として、笑いのネタが一本調子になってしまったのが残念。読者がギャグマンガに期待するものは、次から次へとネタが増えて、展開して、いくつもの笑いが体験できること。最高のエンタメを目指してください!

編集長のコメント
4『wintering』メゾン高見沢

56ページのファンタジー。作画は大変だったと思いますが、存分に楽しんで描いたことが原稿から伝わってきます。ストーリーも、主人公の「勇者」が女の子で、実は魔王の娘で…と楽しい要素がてんこ盛り。読者を楽しませようとするエンタメ精神が素晴らしいです。ただ…さすがに盛りすぎましたかね(笑) 主人公は何を目指しているのか、そしていま何が問題なのか。丁寧に読者に提示して、物語から脱落させないよう、興味を惹き続けてください。

編集長のコメント
5『Wall,land Mark』中野しゅいず

見た目は中年男性の、犬(…なのかな?)を飼育する少年の話。絵が上手く、すんなり世界に入り込めました。お話としては、初期設定の説明だけで終わってしまった印象です。ここから、この少年とおっさんとが、どういう関係を築いていくのかを読みたかった。おっさんの長い髪の奥に隠れた瞳が、キラキラと輝くのを見たかったです。

編集長のコメント

  

その他の応募作品

1『死神のエシックス』箱木典也

妖怪と共に旅をする少年の、退魔譚。冒頭部分の構成に難があり、ストーリーに入りづらいです。絵にはセンスを感じるし、よく読めば面白い話なのに…すごくもったいない! 物語の冒頭は、読者にとっていわば「第一印象」となるわけで、非常に重要です。キャラの描き分けもやや甘いように感じました。キャラ・設定・世界観が「初見の読者が理解しやすい作りになっているか?」を強く意識してみてください。

編集長のコメント
2『雨のあがる音“THE EMO`S”』秦野夏成

超人気女性アイドルとの共演を夢見て、自らもアイドルへの道をひた走る少年…。おバカなノリが満載で、大好きでした(笑) 冒頭のオーディションに乱入するシーンが浮いてしまっているのと、トップアイドルになるべく主人公がいかに努力したのか、そういった肝心な部分が抜け落ちてしまっているのが残念。強烈なキャラクターの常識外れの行動、それこそが一番の笑いを生むはず。ぜひ追求してみてください。

編集長のコメント
3『影導』山本南

ラブストーリーが大好きで、ウェディングプランナーになった鐘。ある日、結婚式に乗り気でなさそうな新郎に切れてしまい、支配人からクビを宣告されてしまう…。他人の恋愛や夢を叶えるばかりで、自分の恋愛にはさっぱり興味がない(笑) 少年漫画の主人公として、ばっちりな設定です。作画にも清潔感があって、好感を持ちました。ただ、主人公の一番の行動が、折り鶴をつくることだけ、というのはあまりにも地味。そこをドラマ的に盛り上げられたら、もっと良い作品になったのでは?

編集長のコメント
4『だいすき!ゼファールおじさん』郁魅デストロイ

行方不明の兄を探すヒロインと、情報屋の男。しかし兄は悪魔に取り憑かれていた! 人物の造形がカッコよく、丁寧な作画にも好感が持てます。特にバトルシーンは、楽しんで描いている感じが伝わってきて、素晴らしかったです。物語としては、ヒロインが祓魔師として覚醒するのが唐突に感じました。また、結局はヒロインが一人で倒してしまうので、情報屋の男の存在意義が薄いです。せっかく出したキャラクターですから、きちんと見せ場を用意してあげましょう。

編集長のコメント
5『無題』吉原萌

“邪竜”に父を殺され、復讐を誓った少年。ついに探し出し、対決を挑むが…。画面全体から、描き切ってやる!という「執念」を感じました。構図にもセンスがあり、インパクト大。主人公が骸骨になってもなお邪竜を倒そうとするシーンは、すごく迫力があります。物語の骨子は「復讐譚」なわけですが、邪竜と呼ばれている側にも一人称での語りを入れたために、正義の在り処がわかりにくくなっています。もちろんそれは狙いの内なのでしょうが、次回はもっと単純な構造の話の中で、懸命に生きるキャラクター達を描いてみてはいかがでしょうか?

編集長のコメント
6『ベル・エポック』安田智哉

スケボーチームの頭を務める主人公と、チームに入りたがるJK。そんな彼らが、街を汚染する麻薬犯罪に巻き込まれて…。ジャンルとしてはいわゆる”ヤンキーもの“になるのでしょうか。個性豊かな不良たちが、きちんと描かれていて、彼らなりの正義感も読んでいて気持ちがよかったです。しかし、スケボー、ヤンキー、JK、薬物…と、要素がてんこ盛り。さすがに消化不良の印象です。次回作はもう少し要素を絞って、その分深く掘り下げてみてほしいです。

編集長のコメント
7『きいろい傘』にのまえまこと

売れない声優の主人公は、人気役者だった亡き父親との関係にトラウマを抱えていた。そんな彼の前に、”神様“を名乗る美女が現れて…。主人公が神様に誘われるままに両親の過去を巡り、その真の思いに気づいていく。心温まるストーリー展開でした。課題は、描線がかなり不安定で、ページによって画力にバラつきが見られること。あとは、主人公が物語の展開に対して受け身に終始してしまっています。主人公自身の主体的な行動により、局面が変わるような作品作りを心掛けてみては?

編集長のコメント
8『ユメノオト』younon,/森藤文花

主人公は、依頼主に雇われて任務をこなす傭兵。ある日手強いドラゴンと戦うが、それがメスと見るや「デートしよう」とガチ口説き。それを受けたドラゴンが、まさか女の子の姿になって…? 冒頭のアイデアのインパクトは絶大。意外性があって、非常に面白かったです! そのあとの展開に既視感があったのは、ヒロインの行動に“ドラゴンらしさ”というスパイスが欠けていたせいかも。ラストのバトルは気合の入った作画が迫力満点でした。

編集長のコメント
9『水神さまは×××したい』みなみかわ

ちょっと理屈っぽいユキオと、そんな彼が大好きなハルコ。放課後、二人は考える。運命とは? 人間とは? 永遠とは? なんだかんだと言いながら、両想いな二人が好ましかったです。哲学的な命題をあまりにも真剣に検討するユキオに笑いながらも、時折なるほど…と勉強になりました。ただ、二人の関係性がやや大人しすぎたかも。もっともっと読者の心をドキドキさせる方向性を模索すべきでは?

編集長のコメント
10『くるくるまわる』鈴木啓示

勇者に命を奪われ、現代日本に住む女子高生に転生した魔王。いじめを目撃し、完膚なきまでに撃退するが…。流行りの異世界転生モノですが、それを描き切るだけの画力も構成力もあり、最後まで充実の読み応えでした。ただ、展開はおおよそ予想がついてしまったので、ややスリルに欠ける感が。魔王の台詞が、正論一辺倒である点も気になります。コメディ展開にはなりますが、魔王らしく悪逆な部分があってもよかったのでは?

編集長のコメント
11『太陽のカケラ』『LOOSE GAME』タゴウミワ

いじめに遭い、自殺を決意した女子高生。彼女の前に、“天使”を自称する謎の男が現れて…。リアルな絵柄で、いじめなどの辛いシーンが非常に胸に迫りました。物語は手堅くまとまっていますが、“天使”の過去を盛り込んだことで、誰に感情移入して読めばいいのか、読者を混乱させてしまいます。二つのエピソードを入れる場合は、テーマをリンクさせる工夫があると、飲み込みやすくなります。ぜひ次回作のご参考に。

編集長のコメント
12『鍛冶師と英雄と』原田勝幸

人が死に絶えた世界の終わりで、“魔女”エレンはたった一人生き残った少年エルと共に旅に出る。どんな願いでも叶えるという伝説の花を探して…。とてもロマンチックな設定ですね。二人がどんな結末を迎えるのかが気になって、ページをめくり続けました。若干、観念的なことに終始してしまった感が。大切なことを、セリフだけでない形で伝えられたら、一段上のレベルの作品が描けると思います。

編集長のコメント
13『KURENAI』林めぐみ

いじめられて学校を飛び出した女子高生。人気のない森で彼女がみつけたのは、謎の卵から孵化したウサギ(?)で…。不思議なテイストの作品ですね。悲惨ないじめシーンから始まったかと思いきや、SF的かつファンシーな動物と出会い、そして主人公の家庭では一気にギャグ展開に。かなり振り回されてしまいました。テーマはなるだけ絞って、わかりやすく読者に提示することを目指してはいかがでしょうか。

編集長のコメント
14『天才バビロン』(ネーム原作)藤枝憲司

めちゃめちゃ性格の悪い少年の前に現れた“天使”。彼が本当に性悪なのか、最後の審判を下すというが…。会話シーンにセンスがあります。そのおかげで、ひねくれた性格の主人公を楽しんで読むことができました。ただ、読者にとってわかりにくい部分が多く、ストーリーについていけません。「誰が、何をやっているシーンなのか?」それをどう伝えるか、熟慮してみてください。

編集長のコメント
15『夢の中の英雄』(ネーム原作)秋乃克行

魔法使いの母を持ちながら、魔法を使えない少年。そんな彼に母が贈ったマフラー、それは…!? 魔法に憧れる少年が、マフラーと一体になって空を飛んだり、犯罪者と戦ったり。少年の夢が詰まっていて、楽しく読みました。ただ、若干アイデアの部分には既視感があります。そして、最後のバトルは少し物足りなさを覚えました。玉川さんならではのオリジナリティーを追求してみてください!

編集長のコメント
16『バレエの祭典』(ネーム原作)松本理絵

異世界に転生してしまった中学生3人組。そこで繰り広げられのは、“次元”を操る者による戦争――! 尋常ではない描き込みに敬意を表します。物語としては、導入部で異世界転生した3人組が、最後まで傍観者に過ぎず、誰が主人公なのかわからない作りになっています。特にファンタジーでは、主人公は読者に対する道先案内人としての機能があります。もう少しゆっくりじっくり、世界観を説明してください。

編集長のコメント
17『ダメガネウォーズ』(ネーム原作)中原逸仁

夢見がちな女の子が、突然飛び込んでしまった『アラビアン・ナイト』の世界! コマ割りが丁寧で、非常に読みやすい。童話の世界の楽しさもしっかり描写できています。ラストは、いわゆる夢落ちだったのは残念でした。結局サマールとのバトルはどうなったのか? せっかく提示したはずの問題が解決されないままでは、読者にストレスが残ってしまいます。

編集長のコメント
18『夢現書店へようこそ』(ネーム原作)有河柊季

プロレスラーとして再起をはかるため、アメリカへ渡った主人公だが…。全ページにプロレスへの愛が満ちていて、熱気が迸っています。作画の集中力が最後まで高いままなのも、実に素晴らしい。とはいえ、「メインイベンター」などの単語で匂わせてはいるものの、主人公がプロレスラーであることが明示されるのが非常に遅いです。主人公の抱える問題は、なるだけ早めに提示して読者の興味をひきましょう!

編集長のコメント
19『切望のパンプキン』武林洋介

折り紙に魂を吹き込む“折神”を使い、意のままに操ることができる世界。自分で折った折り紙が動き出す、そのアイデアは夢が詰まっていて魅力的です。しかし、“折り紙合わせ”という技の説明が足りていないように思います。そこから先の展開も、すこしドラマの要素が詰め込まれすぎていて、主人公にとって何が一番解決すべき問題なのか、わかりにくくなっています。読者に与える情報量を整理しましょう。

編集長のコメント
20『草道』匿名希望

孤独のあまり芋泥棒を繰り返す少年。そんな彼の前に遺跡に繋がる扉が開いて…。コマ割りが読みやすく、すんなりと読めました。作画の丁寧さからも、作者のお人柄が伝わります。全体的にやや大人しいというか、淡々としてしまった感が。主人公の犯した罪も軽いし、最後の試練も結局は神様と会話しただけ。もっと派手なシーンを作って、登場人物の心の動きを強調して描いてみては?

編集長のコメント
21『お笑いをプレゼント』(ネーム原作)篠原優太

ある日学校から帰ってポストを開けたら、妖精がいた。「妖魔に襲われた」と言うが…。こういうオープニングのファンタジーは多いですが、たしかに迷惑そのものですよねw 徹底的に事なかれ主義を貫こうとする主人公が斬新でした。その意外性は買えるのですが、それだけだと物足りません。なにか、読者には出来ないことをやってのける、そんな主人公であってほしいです。あと、それを成し遂げた後のご褒美も!

編集長のコメント
22『Sick』『ケンキタ』黒木斗文房

天使よって憧れの変身ヒーローになった僕の最初の仕事は…公園のごみ拾い!? 同時に投稿してくれた「遭遇」と同様に漫画のあるあるを覆すイントロ、そしてヒーローだからといって悪と戦う展開にならないのは意外でした。ただ、結論に至るまでの流れがすべて会話劇になっています。何らかのイベントを起こし、それを解決することで得たものならば、同じ結論でも受ける印象が変わります。まずは主人公に行動をさせましょう!

編集長のコメント
23『復讐のオートマタ―忘却少女―』(ネーム原作)山川幹太

幼稚園からの幼馴染。そんな3人の関係にはある重大な秘密が…。怖い!すごく怖いですこの作品!! ふくよかな女の子のことがだんだん可愛く見えてきた、そんなタイミングでこのオチとは。そこまでの会話が巧みで、読者の興味を引っ張る実力を感じます。ただ、すこし仕掛けが弱くて、もう一度読み返して「ああ、なるほど!」となる伏線がないのが残念。絵に色気があるので、次回作はラブコメが読みたいです。

編集長のコメント
24『ミラクルカード』岡井広安

両親との不仲から自暴自棄になった少女の前に現れた、無垢な少年。彼は未来からやってきた、彼女の息子だというが…。重く苦しいテーマを描き切った力量は素晴らしいです。絵柄も、ハッとするような良いシーンが幾つかありました。ただ、読者にとっては、暗いテーマを読み進む動機がやや乏しいように感じます。暗い物語でも、エンタメであってほしい。そんな仕掛けを考えてみてください。

編集長のコメント
25『BOX』(ネーム原作)優弘裕

お人好しな主人公が助けた飛び降り女性。目覚めるとそこは、見知らぬ世界で…!? 入っているアイデアの数が豊富で、飽きさせません。最後の70pまで作画のテンションが落ちないのも素晴らしい! 弱点としては、いまひとつ「何をやっているのか」わからないコマが散見すること。ファンタジーに入り込んでからは、キャラデザも入り組んでるので尚更です。読者にわかりやすい構図を研究しましょう。

編集長のコメント
26『RED CUTE』北畑博史

少女が幼馴染の天才少年に告げた、過去の記憶。そこから始まる壮大なSFラブストーリー…でした。青春の甘酸っぱさをベースに、様々なSF知識を巡らせていて、圧巻です。ただ、語るべきテーマに比べて、さすがにページ数が多すぎます。物語の展開を絞る必要があるでしょう。後半に行くにつれて、幼馴染の少年の存在感が希薄になってしまう欠点も、それによって解決される問題だと思います。

編集長のコメント
27『NEZUMI』吉田祥

自分の顔を動物の頭に変化させられる能力者たちによる、顔面バトル! 発想は非常に斬新だし、動物の顔がファンシーでありつつも、意外なうんちくが入っていたりと、読者を飽きさせないための工夫が随所にあります。とはいえ、そもそもの「フェイスバトル」について、その目的やリスクがいまひとつわかりません。そのせいもあって、この物語をどんな風に読めばいいのか、戸惑ってしまいました。

編集長のコメント
28『クロスリード』(ネーム原作)山本真也

転校生の学と太。ギャグマンガのような見た目とは裏腹に、学校の不良を一撃で叩きのめす彼らの正体は…!? 丁寧な絵柄とテンポのいい演出には、かなりの実力を感じました。全体から漂う陽性な雰囲気も、間戸さんの持ち味ですね。このお話はいわゆる「メタもの」というやつで、そのわりには爆発力が足りなかったように思います。マンガワールド、ラブコメワールド、それぞれの住人ならではのトンデモで、もっともっと驚かせてほしかったです。

編集長のコメント
29『館の夜に』『ラピスとヴァイン』(ネーム原作)

階段から転落し、本来ならば死ぬはずだったところを、機械の身体によって復活した主人公。彼の前に死神を名乗る少女が現れて…。お話の冒頭、いわゆるツカミはバッチリでした。しかしその後がやや尻すぼみな印象。思うに、登場人物2人がそれぞれの主張をぶつけるだけで、キャラの動きだったり、意外性だったりが足りないせいかと。読者が物語を意外(≒面白い)に感じるメカニズムを研究してみてください。

編集長のコメント
30『ああ、無能』(ネーム原作)小田ひろみ

AIによって席巻された世界で、ロボットたちの過酷なバトルが始まる! 現実にありえそうな設定で、興味がひかれました。ただ、ずっと設定の話をされてしまった印象です。読者はお話の設定を詳しく知りたいわけではなくて、キャラクターの物語を読みたいのです。途中で終わってしまったのも残念。ネームはあるとのことでしたので、ぜひ頑張って完成させてください!

編集長のコメント
31『昆虫のお医者さん バグ族』北山美緒

幼い頃から最強の剣豪を目指して修行していた少女いおりと、その付き人まこ。しかし意外にもあっさりと最強の座についてしまい…!? 明るく楽しいお話でした! 女の子の絵が可愛くて、画面がキラキラしています。展開的には、剣豪少女が堕ちていくまでがやや長く、本題が始まるのが遅い印象です。作者としても、いおりがまこの弟子になってからのムフフな絵を、より多く描きたかったのでは?

編集長のコメント
32『漫才リベンジャーズ』(ネーム原作)清水裕貴

金銭的に恵まれた家に生まれながら、自信が持てないでいる少女。ラストに彼女がたどり着いた境地は感情移入できるものでした。登場人物それぞれが標語(モットー)を持つなど、個性豊かな世界観も楽しめます。全体的にやや淡々としていて、心に深く刻まれるようなシーンが無いのが残念。キャラクターの行動原理が単純すぎて、リアリティーに欠けるのがその原因かも。

編集長のコメント
33『MAXIMAM―マキシマム―』破駕時央

あるとき空から落ちてきた一人の男。彼の正体は月で、太陽に追われているというのだが…? 神話のような世界観を、ち密な筆致で描き切った力作! 中央アジア~中東風の背景からも、非常に伝わってくるものがあります。お話としては、まさに神話やおとぎ話の様相で、少年漫画としてのキャラへの没入感や、高揚感が欲しいところです。

編集長のコメント
34『影霊』石川輝子・石川暁子

人間と亜人は「友達」になれるのか? 命題を提示したところでお話が終わってしまっていて、読後感としては肩透かしな印象です。絵は美麗で素晴らしいので、作者が描いてて楽しい+読者が見て萌える、そんなシーンを考えてみては? そしてそのシーンが、キャラクターにとって感情のピークになるように物語を考える。そんな制作スタイルもありなので、試してみてはいかがでしょうか。

編集長のコメント
35『恋と迷子』竹田昌平

奈良の大仏が動き出す。息子の阿形と吽形を連れ、出産間際の妻の待つ鎌倉へ、いざーー。インバウンド観光客の影響で片言の大仏さんが、超インパクトあり! 展開は意外に(失礼w)スペクタクルで、中盤までの盛り上げ方は見事でした。ただ、途中でほぼ全てのネタを前振りしているため、最後のほうでやや退屈な感じに。情報の出しどころを研究してみてください。それにしてもこのオチは…。この投げっぱなしな感じからも、とてつもないセンスを感じます!

編集長のコメント
36『Xdayの裏側』鳥海晃司

彼女との幸せな未来を確認するためにタイムトラベルしたら、彼女は死んでいた。どうすれば、この残酷な結末を変えることができるのか? SF設定を使って、上手に命題を立てています。この後どうなるんだろう…という興味で、最後まで引っ張られました。主人公の努力が、現在の時制での行為に限られ、その方法も行き当たりばったりなものに見えてしまったのが残念。あと、このオチは…ちょっと読者が期待するものとは違ったかな。読者の“期待”は裏切らず、“予想”を超えるような展開を描くことを意識してみてください!

編集長のコメント
37『がーでぃあん』たぢかしゅんじ

穏やかな村には、美しい妖精の住む沼がある。都会暮らしに挫折して地元の役場に勤める主人公は、沼の妖精のお世話係“沼番”に任命されるが…。村の人々が互いに思いやる、優しい世界観に癒されました。登場人物が多すぎて未整理な部分もありますが、この読み味には非常なオリジナリティーを感じます。物語としては、肝心の妖精さんを主軸に展開させた方がよかったかも。そして、一番強く思ったのは、この作品は小鹿さんご自身の手で作画されるべき!ということ。ネームからでも高い画力は感じられますし、ぜひこの世界観を完成させてほしいです。

編集長のコメント
38『おかえり』松野圭良

バカで間抜けなヤクザ二人組。ある日組長に、警察への潜入スパイを命じられるが、警察からは宗教カルトへの潜入を、そして宗教カルトではヤクザに潜入しろと…。グルっと一周してしまった二人組は、起死回生を図り!? この設定には笑ってしまいました。どんどんとテンポよく話が展開していって、読者を飽きさせません。惜しむらくは、さすがにコメディとはいえ、もう少しリアリティーが欲しかった。そこをもう少し詰めることができれば、コメディ作家として花開くかも!

編集長のコメント
39『食材と旅に出る』費子軒

自称・食通のサラリーマン。ふと見つけた定食屋から未知の食材まで、彼の食に対する興味は尽きることなく…。『孤独のグルメ』的な冒頭から、まさかのサバイバル展開、そしてラストはホラー。この目まぐるしさは、読者を楽しませようとする仕掛けと受け取りました。ただ、さすがに突飛すぎて、どんなテンションで読んでいいのかわかりません。次回作では、一つのテーマをしっかりと掘り下げて描くことをおススメいたします。

編集長のコメント
40『オタク×ヒーロー』榎本璟

“英雄“、”総選挙“、”ホルダー“など、話の冒頭から専門用語が多く出てきて、飲み込みづらいです。テキストの絶対量が多いのも問題。漫画は絵で表現できる媒体ですから、できる限り文字は削りましょう。とはいえ、キャラの掛け合いのテンポにはリズムがあって、とても良かった。これを読んだ限りですが、コメディが向いている作家さんなのかもしれません。

編集長のコメント
41『チビクロちゃんとチロイ先生』kyoto

海で父親を亡くした少年。彼が人知れず知略を尽くし、大物釣りに挑む理由とは? 淡々とした語り口ながら、豊かで残酷な自然の中で生きる人々の姿を見事に描き出しています。世界観が完璧に出来上がっているので、読後感が深い。ただ、泉さんの穏やかな作風は、読んでワクワクするような作品が求められる少年誌では、活きないのでは? ご自身の武器が一番活かせる場所はどこか、じっくりお考えになるべきでは。

編集長のコメント
42『リグレット・リピート』ada

たくさんの設定が盛り込まれた、壮大なファンタジー叙事詩。流良さんの脳内であふれ出すイメージが豊かで、楽しんで描いているのが伝わります。ただ、それを他人である読者に伝えるためには、もっともっと丁寧な説明が必要です。何かが起こるたびに「これは~である」という説明が後出しされるのは、読んでいて興が削がれてしまいます。まずは情報量を減らして、伝えるべきことを精査してみてください。

編集長のコメント
43『ヴィジュアル革命HISAME』波丘煌生

リストラに遭いそうな契約社員とその彼女。お金のない2人は、空想の中でスリルあふれるデートを繰り広げる…。不思議かつ不穏な空気に、独特の魅力があります。淡々とした描写ですが、文学性のようなものが漂い、惹きつけられました。とはいえ結局この2人は空想で遊んでいただけで、何も状況に変化はありません。少年漫画としては、そこに物足りなさを感じます。

編集長のコメント
44『通報人』真田真行

悪魔を祓うことを仕事にする、よこみちちゃん。ある日、とっても強い悪魔“センドゥ”が現れて…。不思議なリズムで、コメディのような、真剣なバトル漫画のような…。脱力系な会話が面白かったです。ただ、最後の解決が結局は敵に助けられてのもので、主人公による活躍とは言えないのが残念でした。コメディとはいっても、基本的には主人公の行動によって、局面が変わるべきでは。

編集長のコメント
45『エアー・ハイ』星村定之

魔法が旧いものとして、科学に駆逐されようとする時代。超アナログ人間の明子は、あくまで魔法にこだわるが…。設定は非常に面白いです。「鍛錬の魔法に対し、お手軽な科学!」というキャッチフレーズは素晴らしい。ただ、明子が直面する対立構図が曖昧で、何をすればこの物語は終われるのかを見失ってしまいました。個人的には、アナログ魔法少女としての明子の大活躍が見たかったです。

編集長のコメント
46『老犬ヒロイン』『ワンダーガール』『魂の代行人』桜島淳太郎

村の近くに眠る龍は、数年に一度目覚めては、予言を授けるか、くしゃみで村を吹き飛ばすか。その設定は想像力が刺激されて、非常にワクワクしました。ギャグとしては、ややページが長いですね。途中ですこし読み飽きてしまいました。オババ様以外に、もう一人キャラの強い人がいてくれたら、話が広がったような気がします。

編集長のコメント
47『醜いアヒルのイサカ』モカヅマツモト

幸せな結婚式と血で血を洗うレースバトルが並行して描かれ、どうなっちゃうの!?と思いきや、まさかの花嫁のブーケ争い(笑) テンポの良さも手伝って、笑わせていただきました。「NAMERO(なめろう)になりな」など、随所に光る台詞も。笑いのベースが”仕掛け“にしかないので、キャラに紐づけるともっと笑えると思います。人物にまつわるエピソードを盛り込んでみてください!

編集長のコメント

※ネーム原作作品は、希望者のみのコメントとさせていただきます。また応募作のうち、同一作品の改稿バージョンや、過去の応募作と同一世界観・設定の作品へのコメントは、感想の重複となるため、控えさせていただきます。

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